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実業家・神田うのに「自分で子育てしろ」の大バッシング

 今月初旬、ベビーシッターによる窃盗事件を公表した神田うの(40)。3歳の娘、通称「こうのちゃん」の世話をしてくれていた4人のベビーシッターのうち、最も娘がよく懐き、うのも信頼を置いていたシッターが、うの宅に保管されていたエルメスバーキンや宝飾品を盗み、転売していたという。うのは昨年1月に警視庁赤坂署に被害届を提出し、捜査を経てシッターの女性が逮捕され起訴、裁判となり、5月14日の法廷で懲役2年4カ月の実刑が言い渡された。被告は控訴している。  うのはこの件について、「娘に申し訳ない」と報道陣を前に涙を流したが、被害者であるにもかかわらず「同情できない」と大バッシングを浴びている。6月11日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、「4人もシッターを一雇うなんて子育て放棄だ」「ブランド品をちゃんと保管しないほうが悪い」といった炎上内容を紹介し、「(うのの実際の生活は)高級ブランドの日本法人の社長などと会食に行くことが多い」「人脈を広げるという名目で、デザイナーのドン小西と一緒にいろんなパーティに出ている」と芸能関係者の言葉を掲載。「そんな状態で、果たして子育てはできているのか」と疑問を呈している。 ◎うのだから叩いていいの?  以前、messyで『長谷川京子の離婚報道に見え隠れする「金持ちの妻は働くな」の抑圧』と書いたが、うのの場合もこの類型と言えるだろう。彼女が結婚した相手は、年商約1700億円のパチンコ関連企業「日拓グループ」の社長・西村拓郎氏。うの自身、結婚前からストッキングやウェディングドレスを展開する実業家として活躍し、巨額の富を築いている。しかし「だからもう、これ以上稼ぐな」とか、「お金があるのに、子育てを他人に任せて仕事するなんて無責任」とか、他人が批判することこそ無責任なのではないだろうか。  ネット上でも、「家で子供と一緒に過ごす生活は、地味だけど母親として当然の務め。華やかなライフスタイルを改められないなんて母失格だ」と、彼女を非難する向きは実に強い。個人的にも、「シッター任せにしているくせに、テレビで子育て論をぶらないでほしい」という意見にはちょっと同意するところもあるし、彼女がレギュラー出演するワイドショーで世間知らずな発言を繰り返している点に関してはもちろん擁護できない。しかし、幼い子供を持つ母親は、生活費に困っていない限り、働く権利がないのだろうか。  うのが「仕事大好き」であることや、人脈づくりに勤しむことが、なぜあたかも“悪い母親”であるかのようにジャッジされるのか、理解に苦しむ。現在以上の事業成功と発展を望み、働き続けてはいけないのか。うのの鼻持ちならないキャラクターがバッシングを誘発していることも確かなのだろうが、そもそも「叩いてもいい女」などいないだろう。 ◎『そんな状態で、果たして子育てはできているのか』  この一文の罪深さよ。大体、うの夫妻は「4人のシッターをシフト制で雇用してきた」わけだから、十分に「そんな(仕事が忙しい)状態で、子育てしてきた」と言えるはずなのだが、どういうわけか「母親自身が育児担当でない以上、子育てできているとは言えない」と断罪される。現代社会で、女性が「仕事をしたい。家族を持ちたい」というごく普通のことを同時に叶えようとすると、四方八方から想像以上の銃弾を浴びる。片や男性もイクメンであれと要求され、「子育て」のハードルは上がり続けている。そして変わらず出生率は下がり続けるだろう。 引用元   実業家・神田うのに「自分で子育てしろ」の大バッシング。「会食やパーティー三昧」は“母失格”なのか