「リマック コンセプト_ワン」EVスーパーカーとは? どんな車?
この高性能EVスーパーカーには、サーキットボードに会社のロゴが刻まれており、実質的には特注のアルミ鋼の一片さえもが、すべて驚くべきパフォーマンスの数値を叩き出すのに関わってくる。合計最高出力1,088ps、最大トルク163.2kgmを発生し、0-100km/h加速は2.6秒、0-200km/h加速が6.2秒、0-300km/h加速まで14.2秒。だが、これで終わりではない。
リチャード・ハモンドが350km/hオーバーで事故
『グランドツアー』という自動車番組で司会の1人を務めるリチャード・ハモンドが、電動スーパーカーの運転中に事故に遭ったというニュースは今朝お伝えした通り。その記事には「3億円」とか「220mph(約354km/h)で」丘から転げ落ちたとかあり、事故それ自体と同じくらい、このクルマに驚きを覚えた方もいらっしゃるのではないだろうか。
ハモンドを生死の境に導いた350km/hオーバーという速度は、4つの車輪にそれぞれ搭載する4基の電気モーターによって実現された。その合計最高出力は1,088ps、最大トルク163.2kgm...だったのだが、今年発表された2018年型モデルでは1,224psに引き上げられた。フロントに搭載されたモーターはシングル・ギア、リアのモーターはデュアルクラッチ式2速ギアボックスを介し、状況に応じて4基のモーターが独立して各輪を駆動する。四輪独立懸架ならぬ四輪独立駆動だ。各種センサーの情報を基に車載コンピュータが1秒間に100回の頻度で各輪の最適な駆動力を計算し、それぞれ個別にモーターを制御するという。これをリマックでは「オール・ホイール・トルク・ベクタリング」と呼んでいる。しかもドライバーは、運転技術や路面状況に応じて、安定性重視からドリフト可能まで、この制御をいくつかのモードから選択できる。リマックによれば0-100km/hを2.5秒で加速し、6秒で200km/h、14秒後には300km/hを超え、最高速度は355km/hに達するという。
液冷リチウムイオン(リチウムニッケルマンガンコバルト)バッテリー・パックは、センターコンソール内とリアのバルクヘッド部に搭載。容量は90kWで、最大航続距離は350kmと発表されている。
ちなみに、このリマック社が開発した電動パワートレインは、あのモンスター田嶋こと田嶋伸博選手のパイクスピーク・ヒルクライム用マシンにも搭載されている。
「200万ポンド(約2.9億円)」と報道された価格だが、前述した8台の先行生産車が2012年にモナコで注文を受け付けていた際には、98万ドル(現在のレートで約1.1億円)と掲げられた値段が確認されている。いつの間にかずいぶん値上がりしてしまったらしい。