「キモくて金のないオッサン」は自己責任
■ ネットで目につく厳しい「自己責任論」
「救済」がテーマになっているのは、女性や子どもの貧困が社会問題化される中で、「キモくて金のないオッサン」という中年男性層の困窮がしばしば「自己責任」で片付けられてしまうからだ。前出の記事でも、ニコニコニュースやBLOGOSのコメントでは、「オッサン」に対して厳しい意見が多く見られる。
”「そこまで困窮する前にどうにか出来んかったのか? せめて幾らかでも貯蓄しとけばよかっただろうに、若い頃は金遣い荒かったんじゃねーの?」
「結果を残せなかったらから40代でクビ、もしくは会社の倒産の原因になったって事。もっとがんばりやー」
「自分の蓄えが無くなったら、基本的には死ぬことを考えるでいいんじゃないの?」”
こんなふうに「救われない」のはなぜなのか。番組でやまもと氏は、職がない、身寄りがない、キモい、金がないなど「自己肯定のパーツ」がないオッサンほど弱者になりやすいと指摘する。
”「カワイイ動物は、絶滅危惧になったときに支援されやすい。アトラクティブ(魅力的)な社会的属性があればあるほど『あなたは弱者ですね』と認められやすいんです。(キモくて金のないオッサンは)可視化されても救済されない」”
■ 速水氏は「カリスマ性のあるオッサン」を待望
確かに支援の対象として「オッサン」は魅力的でないかもしれない。「救わなければ」という気持ちをかきたてる対象でもない。その「どうしようもなさ」の理由を、やまもと氏はこう解説する。
”「共感を得るに当たっては、『やむにやまれずそこに至った』という悲壮感がなければいけない。さらに『なぜ救わなければいけないか』という大義名分が必要」”
そうした悲壮感が可視化されておらず、もし可視化しても「自己責任」で片付けられるオッサンは救われにくい。そうなると、キモくて金のないオッサンは、残り数十年の人生をどのように歩んでいけばいいのか。
番組では具体的な解決策は提示されなかったが、キーワードとして「組織化」「連帯」といった言葉が出た。現状では、困窮したオッサンたちが組織になっても社会的なムーブメントにはなりにくい。しかしロールモデルとなるような「マネジメント能力の高いオッサン」が出てきたら、変わる可能性がある。
”「キモくて金がないけど、カリスマ性のあるオッサンが出てきたら、政治的な運動になるかもしれない」(速水氏)
「それなりの政治勢力になるときには、指導者がいて、束ねる人たちがいて、事務局ができて、ちゃんとお金も回って初めて組織化できる」(やまもと氏)”
この特集にツイッターでは「いや…耳が痛い」「基本絶望しているのであとはできるだけ早く死にたい」「全般的に『甘え』の一言で粉砕されるような勢力だからなあ」といった、諦めを含んだ声が多い。
引用元 「キモくて金のないオッサン」は自己責任? どうしたら「救済」されるのか
おっさんが橋で丸いきれいな石拾ってじっと見つめてた。
しばらくして携帯を出して時間確認すると携帯を川に投げ捨てて
石をポケットにしまった後に膝から崩れ落ちててワロタ
— 笑ってはいけない (@wwwwww_bot) 2015, 6月 17
ガストで飯食ってたら女子高生とおっさん来て、飯を食べさせ合ってるもんやから、「絶対あれ新しいAVやわ」って思ってたら、ただの仲の良い親子でした、首吊って死にます。
— あみゅ@アグノムトゥーン (@amyu18) 2015, 6月 17
ネットで『キモくて金の無いおっさん』を笑うのは楽しいけど、リアルで見ると自分の人生にむっちゃプレッシャー掛かる
— 毒虫new3DS (@okinakinakurino) 2015, 6月 17
おっさんだと思い気安く話しかけた相手が美人だと気づいた瞬間、背筋を冷たいものが走った。足の震えが止まらない。ブス以外の女性とは気軽に話せない彼にとって、どこに美人が潜んでいるかわからないインターネットは、まさに地獄だった……みたいな妄想をしていた。
— しんかい37(山川賢一) (@shinkai35) 2015, 6月 17